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投句箱作成

大手門前と玄宮園入口に設置してある投句箱とその台を作成しました。

材種は投句箱が杉、台は栗。
プレートのフォント、配置、サイズ、以前と同じに作成しました。

木材の人工乾燥(母屋丸太の増築)

皮むきの終わった丸太を人工乾燥にかけました
乾燥してくれた製材所
3つある銀色のコンテナが乾燥機


ここの乾燥機は高温乾燥、中温乾燥、に対応しています。
高温乾燥は120°まで温度を上げ、中温乾燥は60°まで温度を上げる。
◦高温乾燥(4寸角檜)の手順
 1 : 60°位から徐々に上げて120°にしていく、この間に木の外側(白太)の部分
  が柔らかくなる。
 2 : 120°で前の工程で柔らかくなった木の外側部分の水分を抜いていく。
  この時柔らかくなっていた外側部分は固くなっていく。
  ここの製材所では120°の工程で30時間蒸す。
 3 : 20°づつ温度を下げていく。この段階で内部(赤身)の水分が抜けてい 
   く。(この工程で木の表面に割れの出る可能性がある。)
 4 : 扉を少し開き外気となじませ乾燥終了。
 この間4~5日
 

扉を少し開けて外気となじませている所


高温乾燥材は内部割れが酷く、大工が加工する材としては不向きと思っていました。しかし一概に不向きという訳ではなく高温乾燥にも幅があり、その違いは上記の「2」の工程での120°で蒸す時間。
この時間が長いほど次の「3」の工程で発生する外部割れのリスクが少なくなる。120°で蒸す時間の長い事業所は3~4日120°で蒸し続けるという。そうすると外部割れはほとんど無く見た目は綺麗、その代わり内部割れは酷く加工は不可能な材料となる。(そのまま使うのであれば強度には問題なし)
この製材所は経験から120°工程を30時間とし、その高温乾燥材は、ほんの少しの内部割れ、外部割れはあるものの、加工には十分適応するものであった。
乾燥後の含水率には差が無く、あくまで見た目の問題。
「人口乾燥というと温度ばかりが話題になるが風の強弱、向き、材の置き方などでも大分違うよ」と製材所の方は言っている。
今回は中温乾燥で温度60° 工程10日間でしてもらう。

乾燥させる材の敷木に使っているヒノキ。何十回も乾燥機で蒸され焦げていた。

丸太の皮むき(母屋丸太の増築)

増築の母屋に使う杉丸太の皮をむいていきます。

末口3.5寸

竹でヘラをつくり鬼皮をむいていきます。
この丸太は8月末に伐採したもの。
地蔵盆辺りを境に木が水揚げを止めるため
それ以降の伐採であれば材料として使える。
ただ伐採時期が遅くなると皮がくっついてしまってとても剥けないので、8月末伐採は皮の剥きやすさと材の使用の両面から考えると良い時期。
しかし木もそれぞれ個性があり、気持ちよく剥ける木と、かなり大変な木がある。大変なものは年輪剥いでいる感じ。
皮を剥き終わったら、背割りを入れて乾燥機にかける。

写真の木はヒノキ
皮むきに使う道具

杉の荒板の外壁

この建物の外壁は杉の荒板(ザラザラの製材品)の目板張り。
ウッドロングエコ2回塗り。お施主さんが年末年始返上で塗ってくれました。

庇の柱や桁も荒木で同じ塗装。
組み込み式のポストもついて。(郵便が下駄箱の上に載るようになっている)
足場の撤去が楽しみです。

断熱材の事

屋根の断熱に羊毛の断熱材(厚60mm)を使用しました。羊毛という材質に魅力を感じたということもありますが、サイズと形状がこの建物の施工に向いていたのも判断の基準でした。

長いロールをハサミで切って施工。
105mmの垂木に60mmの断熱材、上の45mmが遮熱シート下部分の通気層。
銀色が遮熱シート

屋根の断熱はGW密度24K 厚100mmをもう1層入れて2重断熱。

壁はGW密度24K厚100mm
床は基礎断熱(内側)フェノバボード50mm

この建物のQ値=2.22

建物の空気の通り道

雪の日が多くいつまでも葺けなかった屋根が終了し、換気棟がつきました。

スリットの入っている部分が換気棟。建物の土台部分から入った空気がここから出ていく。
その土台部分。通気胴縁に虫よけとしてサランの網戸の網をホチキス止め。
1Fは通気胴縁2Fは縦胴縁が通気層。滞りなく空気が上がっていく。
壁から屋根への空気の入り口部分。ここから屋根を伝って棟で排気。中のアルミが遮熱シート。
空気呼び込み口の杉板は垂木の転び止めと外壁止めも兼ねている。

面材

耐力壁は筋交いではなく、面材を使用。3倍の壁倍率が取れるので1Fの短辺方向でも壁充足率1.24取れました。GWと石膏ボードと合わせて22条(防火)もクリア。

垂木鼻、破風尻は雨掛かりを考慮し直角ではなく斜めに切ってある。
軒桁の鼻も雨掛かり予防のために、後日削ぐ予定。